施設によってマチマチですが、大体の施設が入院期間などに応じて時給計算しているので長期試験ほど高額になります。
都内であれば20日で40万円などの治験もあります。スキー場などリゾート施設でのバイトよりも短期間で稼げるので高額アルバイトや高収入アルバイトとも呼ばれています。
一部では、裏バイトとも書かれているようですが、もちろん裏の稼業ではありません。
ネットでは、高額アルバイトと紹介される治験バイトですが、実は時給にすると800円くらいが相場。これは、東京都の最低賃金より少し高いくらいの金額です。
この根拠は、「臨床試験受託事業協会」という治験を実施している病院やクリニックが加盟している団体の指針の中で、参考とすべき算定金額として定めているからです。
また、金銭を目的とした不当な募集を防止するため、「募集の段階では負担軽減費の情報を知らせてはならない」と定めており、加盟している医療機関は謝礼金の額面を提示して医学ボランティアを募集することができない決まりになっています。
治験への参加はボランティアの自由意志によるもので、途中での参加取り止めや同意の撤回も自由です。指針では、このような中止時の支払い方法についても定められています。
例えば、①治験薬に起因する医学的理由による中止の場合は、予定されていた金額の全額。②自己の意思による同意の撤回の場合は、参加した期間に比例した金額。③指示に従わないなどの理由による中止の場合は、支払いをする必要がないとされています。
さらに、この指針の中で特記すべきは･･･（治験バイトのポイント＜核心編＞につづく）
クスリの候補物を作れるのは、法律により製造販売許可を得た製薬企業に限られます。粗悪なものを製造して事故にでもなれば会社の存続に関わります。
どの会社も動物実験（非臨床試験）を行って、候補物の安全性には自信を持った上で治験に臨んでいます。
同様に、実施する病院も医療事故を起こさないよう細心の注意をしています。
治験は、厚生労働省令等で定められたルールに基づいて実施されなければいけません。人体実験という表現からイメージするマッドサイエンティストな世界は、実際にはありません。
これは一概には言えません。承認された薬でも、人によって・体調によって副作用が起きる可能性があります。まして治験は未承認のクスリの候補物です。絶対な安全はありません。
でも、それではボランティアにはあまりにハイリスクです。そこで、ボランティアの保護のため、治験に関連して、好ましくない症状が認められれば適切な治療行為が受けられ、仮に、障害が残った場合には製薬会社の責任で金銭的な補償をするよう法律で定められています。